超音波とは(2)
前回の投稿で、超音波の定義について「聞こえない音波」としていましたが、近年では技術の進歩に伴い応用範囲が広がり、次のように定義されています。
『超音波技術とは、人が聞く事を目的としない音波の応用に関する技術』
矢沢公彦著 超音波の知識 より
話し言葉や音楽などでは、音波をコミュニケーションとして利用しています。
それ以外の方法で利用する技術を周波数に無関係で超音波技術と言うようになりました。
ちなみに当社の超音波粘度計のホーンは13kHzで振動しています。
振動音は耳の良い若い人には聞こえます。
当社粘度計をご利用の際はトライしてみてください。
(ちなみに筆者は聞こえます)
閑話休題。
第二回目は「音波と電波の違い」について、学んでみたいと思います。
音波も電波も同じ波動エネルギーであり振動です。
両者には多くの共通点も見られます。
しかし音波(音響エネルギー)と電波(電磁界エネルギー)の大きな違いとしてエネルギーの伝達方法があげられます。
音波(音響エネルギー)は振動媒体(固体・液体・気体)を通じてそのエネルギーを伝達しますが、音波(電磁界エネルギー)は電界と磁界による電磁界振動であるため、振動媒体を必要としません。
・・・分かり辛いので例をあげて、考えて見ましょう。
SF映画などでは、宇宙空間での隕石の衝突や戦闘シーンで大きな効果音が使われていますが、振動媒体の無い宇宙空間では実際にはどんなに近くにいてもこれらの音が聞こえる(伝わる)事はありません。
(もちろん自分が隕石の上に立っていれば隕石を媒体として音は伝わってきます)
一方で電波は衛星放送に代表される様に、何も無い宇宙空間でも伝達する事が可能です。
こうやって書くと「電波の方が優れている」様に感じますが、海中など電磁界エネルギーが伝達出来ない条件も多数あります。
当社は「超音波応用製品の開発・製造・販売」ですので、電波応用製品は手がけていませんが、世の中にはそれぞれの特長を生かした応用製品が数多く生産されています。
次回は超音波応用技術の基礎について勉強したいと思います。
著者:超音波太郎
私達、富士工業株式会社は、 『超音波技術を介し、価値を創造し、その価値をお客様と共有する』 を企業理念に掲げています。 各種液体のプロセス・品質の最適管理に「超音波」をお勧めするその理由を知ってください。 |
| 2008年07月05日 | このページのURL | コメント (0) | トラックバック (0) | 001004|etc|その他