「夢の舞台」
以前このブログに趣味でやっている吹奏楽の楽器(ティンパニ)について書いたことがありますが、また音楽関係のお話をします。
私たちが住む浜松の駅前にアクトシティ浜松という大きな建物があり、その中に大ホールがあります。
2000人以上の収容人数を誇る浜松最大のホールです。
1994年に竣工したので、昨年ちょうど30周年を迎えたことになります。
完成当時、すごく立派なホールができたと聞いて、いつかそこで演奏したいな、と思っていましたが、有名なオーケストラやオペラ等に使われていて、私のような一般人がその舞台立つことは夢のまた夢だと勝手に思っていました。
最近では地元の吹奏楽団の演奏会でも使われることが多いですが、それでも自分にとっては敷居の高いホールには違いありませんでした。
そんな私に今年、アクトシティ浜松大ホールで演奏する機会が訪れました。
ここ数年浜松のとある金融会社の社内吹奏楽団のお手伝いをしていたのですが、今年2月にアクトシティ浜松大ホールで全国職場バンドフェスティバルというイベントがあり、それに出演することになったのです。
本番当日、出演団体の顔ぶれを見ると、地元職場バンドの雄であるヤマハ吹奏楽団さんをはじめ、吹奏楽コンクール全国大会の常連バンドさんがいたりして、さすが全国規模のイベントだなあと感心したり、こっちとレベルが違い過ぎて大丈夫かなと心配になったり、色々複雑な心境のまま出演待ちをしていました。
本番前ステージの横で出番待ちをしていると、学生時代のコンクールのときのステージ横で緊張マックス状態になったことを思い出しました。
でも今回はコンクールじゃないので、あんな吐き気がしてくる程の緊張感はありません。
演奏直前まで自分ではかなり落ち着いている....つもりでした。
そして、本番演奏が始まります。
舞台から客席を見ると大勢のお客さんがいます。
普段の演奏会では結構ガラガラだったりするので、さすが全国規模のイベント! と、感無量。
程なくして1曲目が始まりました。
自分はティンパニを担当しているのですが、始まった瞬間、「ん!?」何かがおかしい。
B♭の音が明らかに合っていない! チューニングずれというレベルではなく、全然別の音だ。チューニングゲージを見るとE♭になっている! 「何でーーーー??」 何を勘違いしたのか、演奏前に全然違う音にチューニングしてしまったらしい。
一瞬のうちに頭の中がパニック状態です。
「早く直さなきゃ」 と思うものの1曲目のアルセナールという曲はマーチのくせにティンパニが結構忙しく、修正する暇がありません。
やっと隙を見つけて修正しましたが、もうメンタルがボロボロです。
かろうじて1曲目を乗り切り、2曲目に突入しました。
2曲目の吹奏楽のための民話という曲は往年の名曲で難易度はそれほど高くないので、乱れた心を落ち着かせながら演奏を進めました。
ところが、後半になって、さあこれから叩き始めるというところで、右手と左手のマレット(太鼓でいうバチのことです)が違うことに気づきました。
(打楽器奏者は演奏する曲調に合わせてマレットを変えて演奏しますが、ティンパニも例外ではありません。複数セットのマレットを使い分けますが、普通は左右の手は同じマレットを持ちます。)
違った方のマレットを交換したいけど、もう演奏開始まで時間は無い!! またも頭の中はパニックです。
でも、もうこのままやるしかないので左右のマレットが違うまま演奏開始しました。
演奏しながらも「早くマレット変えなきゃ」で頭の中がいっぱいで全く集中できません。
またしてもメンタルボロボロに逆戻りです。
息も絶え絶えに最後まで演奏しきりました。
そしてラストの3曲目、オーメンズ・オブ・ラブというT-SQUAREのポップな曲なので、ティンパニの出番が少なく、やっと落ち着いて演奏できました。
振り返ってみると、前述したミスは過去数十年間、本番どころか、練習でもでもやったことのない失敗で、本番前に落ち着いていると思っていたのは全くの幻想でした。
夢見ていた大舞台に思いっきり舞い上がっていたのだと思います。
色々やらかしてしまいましたが、それでもアクトシティ浜松の大ホールで演奏できたことは自分にとって幸運であり、一生の思い出になりました。
投稿者:事業開発グループ
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| 2025年05月07日 | このページのURL | コメント (0) | トラックバック (0) | 001004|etc|その他