2015年05月
☆大和言葉☆
最近、年を取ったせいか日本の技術を紹介したTV番組を見たり、国内外で日本の良さを聞いたりすると異常に感動してしまうようになってしまった。
先日も日本が大好きとなり、何回も訪日されている方が、幾つもある日本の良さの中で一番の魅力は、日本固有の美しい言葉だと言われていたのが非常に印象深く、その方は『こもれび』という言葉に強く惹かれたそうだ。
そこで、今回は、日本固有の美しい言葉と言われる『大和言葉』について少しだけ掘り下げてみたい。
【大和言葉とは】
日本語は、漢語、外来語、そして大和言葉の3種類に分けられる。
漢語は中国から取り入れられた、音読みで発音される『山地(さんち)』『河川(かせん)』などの言葉のこと。
外来語は中国以外の外国からきた言葉で、多くはカタカナで表記されるもの。
大和言葉は、私たちの先祖が太古の昔に作り出した、日本の風土の中で生まれた言葉。
と言っても、現代では意味がわかりづらい古文の言葉ではなく、わかりやすい例でいうと「故郷」の読みかたを音読みの“こきょう”ではなく、“ふるさと”と読んだ味わい深い響きになる言葉。
声に出して読むと、耳に優しく響き、なぜか心に染みる。
【大和言葉の特徴】
音節はCV(単子音と単母音)で構成される。
母音のみの場合もあるが、その場合語頭にしか母音のみの音節は立たない。
・そのため、同じ語の中に二重母音、二つ以上の子音が並ばない。
・古代においては、母音が語頭に来る語が複合語の後ろとなった場合、母音連続を避けるため、母音が短母音となる。
場合によっては、子音がはさまれる。
語頭にラ行音が立たない。
これは朝鮮語、モンゴル語、トゥルク諸語といったアルタイ諸語との共通点である。
・古語の「らうたし」「らうがはし」は漢語由来とされる。
・「ラッコ」はアイヌ語由来。
他に、北海道の地名の一部にも語頭にラ行が立つものがあるが全てアイヌ語由来である。
・方言に鮫の一種、「らぶか」があるが、これは「えらぶか」の変化した語と思われる。
語頭に濁音、半濁音が立つ語が限られている。
・強調や、負の意味がついて語頭が濁音となる語。
「ずるい(<する)」、「ぶつ(<うつ)」など。
・他の語から意味を変える際、濁音化したもの。
「ちち(父)」、「はは(母)」からの転である「じじ(爺)」、「ばば(婆)」等。
・本来語頭になかったが、歴史的変化によって、語頭に濁音が現れたもの。
古代にさかのぼると「ば(場)」、「じ(路、旧かな遣いではぢ)」、「ばら(薔薇)」、「だく(抱く)」等の語は本来、「には」、「みち」、「いばら、うばら、むばら」、「いだく」といった濁音が語頭に立たない語である。
・助詞「が」、「ば」などは常に前に単語がある語。
・上記の系統のものを除くと、本来、大和言葉の語頭に濁音、半濁音があるものは「ビュービュー」、「ピカピカ」といったオノマトペになる。
【大和言葉の使い方】
大和言葉が時代を経ても心に染みるのは、日本の風土の中で生まれ、日本人の感性が投影された言葉だからと言える。
探してみると身近なところに味わい深い大和言葉が眠っていることに気付く。
◇感動した時の『胸』を使った表現
ぐっと来た感じなら ⇒ 「胸に迫る」
ずしんと来たなら ⇒ 「胸を打つ」
じわじわ来たなら ⇒ 「胸に染みる」
大和言葉で表現すると、心が動かされた感情が強く伝わる。
他にも「想像する」 ⇒ 「思いを馳せる」、「超〜」 ⇒ 「このうえなく〜」、「お待ちしております」 ⇒ 「心待ちにしております」、「先刻」 ⇒ 「今しがた」等々。
美しい言葉は、確かに耳に心地がいいが、日常で大和言葉を多用するのは口幅ったいような気もしますし、妙に目立ってしまい逆に気取っていると思われてしまいます。
気に入った大和言葉を心に留めておくだけでも表現の幅は、広がります。
暮らしの中にひと色差すようなつもりで、さりげなく使われることをお奨めします。
日本人は、日本語の魅力に多くの人が気付いていないという声をよく聞きます。
大和言葉に以外にも日本語には相手との絶妙な距離感を表す表現、自然や季節感を表す多様な言葉、オノマトペ言葉等すばらしい魅力があり、機会があれば次回ご紹介させて頂きます。
※この記事の情報は、いくつかの文献や資料を私なりに纏め作成しています。
投稿者:Y.F
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2015年05月25日 | このページのURL | コメント (0) | トラックバック (0) |