2024年06月
配られたカード
「人生は配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ」
漫画ピーナッツの中でスヌーピーが言っていた言葉。
7年程前突然、自分には交通事故というカードが配られた。
幸運にも手足は健在であるし、動かなかくなった箇所もないのだが、
一部感覚のマヒや気温・気圧の変動に影響する激しい痛み、
杖を使わなければQOLが極端に低くなるといった症状は残った。
当時、交通事故障害の初心者であった自分には、
体が治れば元の様に飛んだり跳ねたりできると楽観的に思っていたが、そんな日は来なかった。
現実は厳しく、事故から7年近くたった今でもその呪いは体を焼いている。
長期の入院・療養期間中、心は腐った。
これからはどうすればいいのか、キャリアはどうなってしまうのか、この先家族は・・・。
ぐるぐる、ぐるぐる、寝る事しかできなかった自分の頭の中を巡っていた。
こちらは体の回復と供に時間が解決してくれたのだが、思い返すと焦燥感ばかりだった。
事故=人生の破綻としか思えなかった。
事故で圧倒的に失うものが多かった中でも得るものはあった。
投資のやり方だ。
アウトドアの趣味をいくつか持っていたのだが、それを失う代わりに時間を、
事故相手との泥沼の争いの果てに得た慰謝料と賠償金からなる資金を得た事がきっかけだった。
知識ほぼゼロの状態から始めた為、右も左も分からず、
投機的な株の売買がメインで個別銘柄への資金オールインの様な、今考えると目も当てれない様な事をやっていた。
当時の自分をぶん殴りたい。
大きく稼げる時もあったが、そんな博打が長続きするわけもなく数カ月で資金は半分に目減りした。
流石に妻子を天秤の片側に乗せての博打(という名の投資)で取り返すわけにもいかないと、
そこからはひたすら勉強だった。
単純に株価の上がり下がりを追うだけでなく、投資対象の研究、投資の種類や商品の研究、
自分の資金に見合った投資方法の研究、社会情勢や世界情勢、その際の各国の動向が指標に及ぼす影響などなど、分からなことだらけだったが、研究が実を結ぶにつれ、懐疑的であったアレコレが確信に変わり、それが自信となって結果が出るのが楽しかった。
そうこうしている内に、バカをやって目減りした資金は元に戻り、今はそれがより安定して成長している。
ついでに勉強から得た知識で視野も広がり、世界の見え方も以前とは変わった。
これらは事故がなければ絶対にたどり着かなかった未来だったと今では思う。
冒頭で言ったカードとはトランプとばかり思っていたが、現代のカードゲームの様なカードだった。
それらは、単体では効果がよくわからないものであるが、あるカードと組み合わせる事でシナジー効果が得られたり、ある条件下では劇的な効果を得たり、効果の小さいカードでまとめてデッキ全体で効果を得るようなものであったりと、ジョーカーの様に、何も使えない様なカードは存在しない。
全ては考え次第、使いどころ次第なのである。
みんなが主流で使っている様なカードはもう手元には無いが、みんながもっていない様なカードが手元にはある。
それを使ってどうデッキを組もうかとな試案するだけでカードゲーム好きな自分はワクワクする。
「人生は配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ」
これは諦めや妥協の言葉ではなく、挑戦や試行錯誤からのカタルシスを得よとの言葉だったと自分は解釈している。
投稿者:製造グループ
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2024年06月01日 | このページのURL | コメント (0) | トラックバック (0) |